米国株 信用取引を始めようか迷っている方に、実際にやっている立場から正直に書きます。
儲かった話だけ書いても意味がないので、100万円のロスカットを経験した話も含めてまとめます。それを踏まえた上で「自分にも向いているか」を判断してもらえれば十分です。
米国株の信用取引とは?まず結論から
結論から言うと、米国株の信用取引とは証券会社から資金を借りて、自己資金の数倍の米国株を売買できる仕組みです。うまくいけば利益が数倍に膨らみますが、下落すれば損失も数倍になります。
現物取引との最大の違いは「売り(ショート)」ができる点です。下落相場でも利益を狙えます。
信用取引の仕組み
通常の現物取引は持っている資金の範囲内でしか株を買えません。信用取引では証券会社に担保(証拠金)を預けて、その数倍の金額で取引できます。
買いポジション(ロング):株価が上がれば利益、下がれば損失。通常の株式投資と同じ方向です。
売りポジション(ショート):株価が下がれば利益、上がれば損失。下落局面で利益を狙う戦略です。
また、信用取引では信用金利が日々発生します。ポジションを長く持つほどコストが嵩むため、長期保有向きの手法とは言えません。私がCRWD(クラウドストライク)を数ヶ月保有したとき、金利だけで$487(約77,000円)かかりました。これが信用取引の見えにくいコストです。
必要証拠金とレバレッジ
楽天証券での米国株信用取引に必要な委託保証金率は50%です。取引金額の半額を保証金として差し入れる必要があります。
| 取引金額 | 必要証拠金(委託保証金率50%) | 最大レバレッジ |
|---|---|---|
| 50万円分 | 25万円 | 2倍 |
| 100万円分 | 50万円 | 2倍 |
| 300万円分 | 150万円 | 2倍 |
ただし実際の取引では証拠金ギリギリでポジションを持つのは危険です。維持率を安全圏に保つため、必要証拠金の2〜3倍の口座残高を用意することをおすすめします。
ロスカットと維持率の考え方
証拠金維持率が一定水準を下回ると、ポジションが強制決済(ロスカット)されます。
証拠金維持率の計算式:
証拠金維持率(%)= 純資産 ÷ 建玉の評価額 × 100
楽天証券の米国株信用取引では以下の2段階で管理されます。
追証ライン:委託保証金率30%を下回ると追加保証金(追証)が発生
ロスカット:委託保証金率10%を下回ると全建玉が強制決済
含み損が増えるほど維持率は下がるため、相場急落時は一気にロスカット水準に達することがあります。
| 状況 | 委託保証金 | 維持率 | 判定 |
|---|---|---|---|
| エントリー直後(建玉100万円) | 50万円 | 50% | 安全圏 |
| 含み損 △20万円 | 30万円 | 30% | ⚠️ 追証発生 |
| 含み損 △40万円 | 10万円 | 10% | 🚨 ロスカット |
維持率の管理は信用取引において最も重要な作業です。定期的にチェックする習慣をつけてください。
追証(追加保証金)とは
委託保証金率が30%を下回ると追証(追加保証金)が発生します。追証が発生すると、翌々営業日の正午までに不足分を解消する必要があります。
翌々営業日の正午までに追証を解消できなかった場合、楽天証券が次の米国市場取引開始時に全建玉を強制的に反対売買します。追証の解消期限は思っている以上に短いので、発生したら即日対応が原則です。
信用取引が危険と言われる理由
「信用取引は危険」とよく言われます。実際に経験した立場から、具体的な理由を3つ挙げます。
① 損失が元本を超える可能性がある
現物取引では最悪でも投資元本がゼロになるだけです。信用取引では証拠金以上の損失が発生することがあります(追証)。急落相場で逃げ遅れると、口座がマイナスになる事態もあります。
② 金利コストが積み上がる
信用買いでは日々金利がかかります。「もう少しで戻る」と思いながらポジションを持ち続けると、気づいたら金利だけで数万円消えていることがあります。これは体験済みです。
③ 急落時の判断が難しい
市場が急落すると維持率が一気に下がり、ロスカット水準に達するまでの時間が短い。冷静な判断が求められますが、実際にはパニックになります。私が100万円のロスカットを経験したのもこのパターンでした。
信用取引でできること・メリット
リスクを理解した上でのメリットを整理します。
① 少ない資金で大きなポジションを持てる
30万円の証拠金で100万円分の米国株を保有できます。成長銘柄を見つけたとき、現物だけでは資金効率が悪い場面でレバレッジが活きます。
② 下落相場でも利益を狙える
信用売り(ショート)ができるため、下落トレンド・割高な銘柄に対して収益機会があります。
③ 集中投資の効率が上がる
「この銘柄は上がる」と確信が持てるとき、現物だけより大きく張れます。実際に私はCRWDで$5,339(約81万円)の利益を確定しています。
実際にやってみた話
私は楽天証券で米国株の信用取引を続けています。良かった例と悪かった例、両方あります。
良かった例:CRWD(クラウドストライク)で$5,339利確
週足の直近高値に差し掛かったタイミングで利確。テクニカル的には教科書通りの判断でした。ただし利確後にさらに100ドル上昇するというオチもあります。信用取引ではこういう「悔しい利確」もザラです。
良かった例②:LMT(ロッキードマーティン)で143万円利確
防衛関連銘柄を信用で保有し、¥1,435,019の利益を確定しました。
悪かった例:複数銘柄の信用建てで100万円ロスカット
相場急落で複数ポジションの維持率が一気に下がり、ロスカットになりました。損切りを迷っている間に傷が深くなるのが信用取引の怖さです。
現在の保有ポジションはこちらで報告しています。
証券会社の選び方
米国株の信用取引に対応している証券会社は限られます。選ぶ際に確認すべきポイントはこの4つです。
① 対応銘柄数:米国株の信用取引に対応しているかどうか、対応している銘柄数は十分か、自分が取引したい銘柄があるかを確認してください。
② 証拠金率・信用金利:証拠金率と金利コストは証券会社によって異なります。長期保有が多い方は金利水準を特に確認してください。
③ ツールの使いやすさ:建玉一覧・維持率の確認・注文のしやすさは毎日使うものなので重要です。
④ 入出金の利便性:急に証拠金を追加入金する必要が生じたとき、素早く入金できるかどうかも判断材料です。
各証券会社の詳細な比較はこちらをご覧ください。
▶ 米国株信用取引 おすすめ証券会社比較(近日公開)
よくある質問(FAQ)
Q: 米国株の信用取引は初心者でもできますか?
A: 口座さえ開けば誰でもできますが、おすすめはしません。現物取引で利益が出せるようになってから信用取引に移行するのが現実的です。いきなり信用取引から始めると、損失の大きさに対応できずに退場するリスクが高いです。
Q: 追証とロスカットは違いますか?
A: 追証は「証拠金を追加入金してポジションを維持すること」、ロスカットは「維持率が基準を下回り強制決済されること」です。楽天証券ではロスカット後に不足分の追証が発生する場合があります。
Q: 米国株の信用取引にかかる金利はどのくらいですか?
A: 証券会社によって異なりますが年率2〜3%程度が目安です。保有期間が長くなるほど金利コストが積み上がるため、数ヶ月単位の保有では無視できない金額になります。
Q: どのくらいの資金があれば始められますか?
A: 証拠金の最低額は証券会社・銘柄によって異なりますが、維持率の余裕を考えると最低50万円以上あると安心して運用できます。少額から始めたい場合は、まず現物取引で経験を積むことをおすすめします。
まとめ
米国株 信用取引は使い方次第で大きな武器になりますが、損失も膨らみやすいのが実態です。私自身、81万円利確の経験も、100万円ロスカットの経験も両方あります。どちらも信用取引の本質を体現しています。
始めるなら証券会社選びから慎重に行いましょう。対応銘柄・証拠金率・金利コストをしっかり比較した上で口座を開設することをおすすめします。
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証券会社の比較はこちら
楽天・SBI・マネックス・松井の4社を委託保証金率・金利・追証ルール・ロスカット水準で比較した記事はこちらです。

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